北播磨の場所イラスト

北はりま大学

repo_01

2016.2.02 レポートUP
先生:船田耕造さん

靴をリユースしよう!−靴のお手入れ方法を学ぼう−

西脇市で靴のリペア専門店を営む船田さん。
「先生とは呼ばないでください。」
今回、講義を引き受けてくださるにあたってに出された要望です。
そんなお人柄が出た、とてもアットホームでざっくばらんとした授業になりました。

まず、船田さんの自己紹介から授業スタートです。
子供の頃から一番尊敬する人がお父さんだったという船田さんは、家業の靴屋「ふなだ」を当然のように継ぎます。
その後、長い年月を経て、業務の中心を販売から修理へとシフトし、現在の「リペアふなだ」となりました。

repo_02_02

次に、参加者の方々にも自己紹介が促されました。
皆さんと活発なやりとりをするためのウォーミングアップのよう。

repo_02

その後の授業の流れは以下の通りです。
《革や靴についての講義》
《お手入れ体験実習》
1.それぞれが持参した靴の片足分を自分なりにお手入れする
2.手順やコツを実演を見ながら聞く
3.教わった事を踏まえ、先ほどとは逆の片足分をお手入れし、仕上がりの違いを見る
4.はじめにお手入れした方の靴も磨き直す

《革や靴についての講義》
革の種類や特徴、種類によって違うお手入れ方法、靴を選ぶ際のポイント、
お手入れしやすく、長持ちさせやすい靴の見分け方などについて教えて頂きました。

repo_03

「足の為に良いデザイン」と「オシャレ」や「カッコイイ」との両立は難しいのが現実。
デザインはものすごく気に入っているのに、履き心地が悪くて仕舞いっぱなしの靴、ウチにもあります…(涙)

また、試し履きは必ずしてください、との事でした。
ブランド・デザイン・サイズの全てが同じだとしても、様々な条件で個体差ができるそう。
自分で履き心地を確認することはとても大切なんだとか。
つま先にグッと詰めて履き、かかとに8〜10mm(指が1本入る)程度の余裕があるのがベストサイズだそうです。
また、土踏まずがピッタリ合う物、底が柔軟で十分しなる物を選ぶ事などがポイントとして挙げられました。

《お手入れ体験実習》
そして、いよいよ今回の授業のメインとも言えるお手入れ実習です。

repo_05

最初に自己流でお手入れしたものと、コツを聞いた後でお手入れした方との艶の違いは歴然でした!
自分でやっても、ここまで違うんだという感動の声が次々と上がりました。

repo_06

船田さんは惜しみなくコツを伝授してくださり、ここで全部書ききれません…。
ですから、中でも特にインパクトの強かったことを一部ご紹介します。

・革にブラシ掛けするということ
スエードのような革ならともかく、艶のある革にブラッシングするとキズが付いてしまうからダメだと私は思っていました。
ブラッシングは最初のホコリ落としにも、靴クリームを塗った後のつや出しにも効果的だなんて驚きです!
力は入れ過ぎず、毛先が寝ないよう、ごく軽い力でブラシ掛けします。
見る見る艶が出てくるので気持ちいい!
ブラシは布では磨きにくい細かい部分や、しわの入ったところのお手入れにも重宝するな、と思いました。

・磨き上げに少し水を使う事
磨き上げに使う布を少しだけ濡らしたり、靴から少し離して霧吹きしたり、というワザを知りました。
革は、とにかく濡らしてはいけないと思っていたのですが、少し水分を与えたうえで拭き、磨くとピカピカに!
カチカチに固まった靴クリームも少量の水を足すと使いやすくなるそうです。

repo_07

〜授業を終えて〜
船田さんのトークがおもしろくて、笑いの絶えない時間でした。
笑いながら、たくさんの知識を得、参加者のみなさんの靴はピカピカになっていました。
皆さん、しばらくは靴磨きにハマりそうな勢い(笑)
くたびれてしまって履いていなかった靴も、また出番が増えそうです。
帰り際には自分の靴を船田さんに修復してほしいと預ける生徒さんも続出しました。

メンテナンスして丁寧に長く使う…
靴の艶と共に、昔は普通だったであろう価値観も蘇った気がします。

repo_08

(授業レポート文:西山・写真:笹倉)

2016.01.23