北播磨の場所イラスト

北はりま大学

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2016.1.04 レポートUP
先生:小野圭耶さん

服は畑からできている! −綿花栽培プロジェクトを知る−

「食育」という言葉がありますが、365コットンの活動は「服育」でもあります。
食料と違い、衣料は「素材を育てる」=「服」と、直結しにくいと小野さんもおっしゃいます。
だからこそ、年間を通じることに意義があるのでしょう。
服ができるまでに、どれほどの手が掛かっているか体感することになります。
そして、活動の度に色々な話を聞いたり新しい発見があったりして、興味や理解も深まります。

今回はその活動内容などの講義と、畑での収穫、種取りを体験させて頂きました。

《講義》
活動の様子、栽培の流れやポイントがプロジェクターで写真とともに紹介されました。
月1回の活動日には、スタッフや協力者、参加者など老若男女が一同に会します。
まるで昔の大家族やご近所さんの集まりのような雰囲気で、とても楽しそうでした。
楽しんで参加してもらえるようにと、作業とイベントを組み合わせるなど工夫されている事が分かりました。

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また、日本の綿自給率が0%である現状や、綿花の種類、その特性などの紹介もありました。
特に印象に残ったのは、和綿など雨の多い地域の綿は下向きに付くという事です。
雨に濡れにくいように下向きなのでしょうか、自然はやっぱりスゴイですよね。

約50kgのワタから種や不純物を取り除き、加工するとおよそ11kgの糸になるそうです。
これは約100枚分の手ぬぐいができる量だとか。
大量生産が必要で、賃金の低い国などで主に生産されている理由が分かる気がします。

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《綿花収穫・種取り体験》
講義の後、畑へ移動しました。

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今年は暖かかったこともあり、この時期でも収穫を体験する事ができました。
約20種類が栽培されているそうです。
思い思いに綿を観察し、摘み取っていきます。
まだはじけていない実も、ドライフラワーのように乾燥させればはじけるそうなので、
茎から切ったものも頂いて帰りました。

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コットンハウスへ戻り、摘んだワタの種取りを体験。
木製の、なんともほっこりした雰囲気の器械を使います。
ローラーのこちら側から綿を挟み込ませてクルクルと取っ手を回せば、手前に種が残り、向こう側には綿だけが出ていく仕組み。

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最初からコツをつかむ人もあれば、なかなか思うようにできない人も。
採った種は頂いて帰りました。来年の5月、種まきが楽しみです♬

~授業を終えて~
講義も体験も、みなさん興味津々で、とても熱心に参加されていました。
質問もたくさん出て、派生した話も大変興味深かったです。
おもしろエピソードからファストファッションのしわ寄せを貧しい国に押し付けている現状まで、幅広い内容でした。
適正価格や物を大切にする事、地元産業や自分の生活様式についても、考える機会になりました。

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365コットンさんの活動記録は「365コットン」のフェイスブックページから見ることができるそうです。
ワークショップの参加などもフェイスブックページから申し込みができるそうですので、気になった方は一度のぞいてみてください。
365コットン:Facebookページ → https://www.facebook.com/365cotton/?fref=ts

(授業レポート:西山華苗)

2015.12.19